冬の養生
秋の養生
11月8日の立冬から翌年2月3日の立春前日までを暦の上では冬となります。実りの秋から収蔵の冬へ。秋の味覚で蓄えたエネルギーを体の内へ奥の方へお蓄えておく季節です。
この季節は「閉蔵」とも言われ、体の「気」の流れは内向きにしなければなりません。字のごとく蔵を閉めて貯蔵することです。
野生の動物たちは、この時期には冬眠をしてエネルギーを蓄えます。これが自然と共に生きるということです。本来であれば、「人」も冬眠をしていてもおかしくありません。我々、「人」も自然の流れやエネルギーに逆らうことはできないのです。
中医学的に言いますと、冬に活躍する臓は「腎」です。西洋医学の意味とは少し違い、その人の生命力や貯蔵する力など生命に関わる重要な役目があるのです。この「腎」が秋に蓄えたエネルギーを冬の寒さから守り漏れ出ないように働いてくれています。無理をしない生活を心掛けることが、冬は大切です。
●「腎」をいたわる
体の生命力、免疫力、老化にかかわる「腎」。生命力の貯金をしている銀行のようなものと言えます。冬は、この貯金を使わない生活を心掛けることが大切です。
暖房の温度を高めにして、薄着で過ごしていると、体は春と勘違いして、内へと向かうべき「気」の流れを外へ発散してしまいます。そうなると内側で貯めておかないといけないエネルギー貯金を使ってしまいます。この季節は、設定温度は控えめにし重ね着をして体の熱が漏れ出ないようにすることがポイントです。
「腎」を補う食べ物は、
羊肉、鶏肉、山芋、人参、韮、くるみ、栗、黒ゴマ、黒豆、えびなど
注意は、塩辛いものは、「腎」に負担をかけます。
●野菜や魚は火をとおしたから食べましょう。できるだけ温かい物を食べてください。とくに朝食は、熱々を。
●暴飲暴食はダメ。年末年始、飲む機会が多いですが、ほどほどに。
●サウナ、長風呂、激しい運動など、大汗をかくようなことは避ける
●夜、しっかり眠ること。早寝遅起きが良しとされます。冬の夜は、ゆったりと過ごしましょう
上記の養生が全ての人に当てはまるものではありません。
体質により、冬でも発汗したり、冷えた飲み物食べ物が必要な方もいます。
自分の体質を知ることは大切です。
体質は、年齢と共に変化しますし、季節によっても左右されます。
健康のためと思って続けている習慣や、テレビの一方的な情報は、自分の体を傷めてる原因となってしまうこともあります。
ご自身の体の声を、しっかりと聞いてあげてください